日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2024年1月6日コミュニケーションを円滑にするために『人間関係』に気を配る

 

★ある見学者からの相談


ベーシックコースには、全12回のうちの1回2時間をまるまる見学できる『無料体験教室』があります。

先日、その無料体験教室に参加されたAさんから、見学終了後、次のような相談がありました。

「上司への報告がうまくできなくて困っています。報告する時に緊張しているわけではないんですが、上司にはいつも『よくわからない』と言われてしまいます」

私は5分間くらい、Aさんの話を聞きました。

Aさんは、確かに話し方に改善すべきところはあるものの、話が極端にわかりにくい感じはしませんでした。

そこで、私からAさんに一つ質問しました。

「その上司の方と、報告などの仕事以外で話すことはありますか?」

すると、Aさんは、

「いいえ、ほとんどありません。仕事でも私から上司に話しかけることはほとんどなくて、呼ばれた時に話すだけです」

と答えてくださいました。

答えを聞いた後、私はAさんにこうアドバイスしました。

「ぜひあなたから上司に話しかけるようにしてください。仕事のことでも、仕事以外のことでも構いません。少しずつでも良いので努力してみてください」


★良い人間関係を作る


私は、Aさんの問題は話し方ではなく、日頃の人間関係作りにあるのではないか、と思ったのです。

人は感情の動物です。

どんなに理屈で考えても、好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌いです。

この人間の感情は、話を聞いてもらう上でも大きく影響してきます。

好意を持っている人の話は、足りないところやわからないところを「つまり、こういうこと?」と質問したり補ったりしながら聞くことができます。

しかし、良い感情を持っていない人とは、接することもおっくうな気持ちになっているので、話もそこまで親切に聞こうとはしません。

これは人間としてごく自然なことです。

Aさんと上司の関係が実際に上手くいっているのかどうかはわかりません。

しかし、Aさんから上司に話しかけることがない、ということは、上司がAさんに対して余り良い感情を持っていない可能性があります。

ひょっとすると、上司はAさんからずっと無視されている、と思っているかも知れません。

とすると、上司はAさんの話を少し否定的な気持ちで聞いているかも知れないのです。


★同じ行動でも人によって反応が異なる


例えば、同じ職場にXさんとYさんがいたとします。

二人とも職場の仲間から、仕事がよくできる、と思われています。

Xさんは、他の人が仕事などで困っている時に積極的に助けたり、雑談などもよくするので、職場の仲間から好かれています。

一方、Yさんは、自分の仕事はしっかりとやりますが、他の人の仕事には余り関心を示しませんし、雑談にもほとんど加わりません。職場の仲間からは、とっつきにくい人、と思われています。

さて、このXさんとYさんが、仕事で同じようなミスをしたとしたら、職場の仲間はどのような反応を示すでしょうか。

Xさんがミスした場合は、「Xさん、頑張ってるよね。たまにミスするのも仕方ないよね」と思うかも知れません。

一方、Yさんがミスをした場合は、「だいたい自分だけで仕事をしようとするから、情報の共有が不十分になってミスするんだよね。自業自得だね」などと思われてしまうかも知れません。

このXさんとYさんへの職場仲間の反応の違いこそが、日頃の人間関係なのです。

日頃から良い人間関係を作ることを意識している人は、話を肯定的に聞いてもらえます。



★人の悩みは全て人間関係に関するもの

このように、話をしたりコミュニケーションを取ったりする上で、人間関係の善し悪しはかなり大きな影響があります。

ベストセラーとなっている『嫌われる勇気』という本の中に、

人間の悩みは全て、対人関係の悩みである

という一節があります。

私自身、これを読んで、確かに今まで抱えてきた悩みのほとんどが人間関係に関するものであることに気付きました。

このように、人間関係は話をする場面だけでなく、人の幸福に関するものすべてに大きな影響力を持っています。

ぜひ、周りの人との人間関係を良くすることにも気を配っていただきたいと思います。

 

★人間関係を良くする話し方を身につけませんか?

日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースは、人間関係を良くする話し方にも重点を置いたカリキュラムになっています。

これらの講義を聞き、それを日常で実践した結果、職場やご家庭での人間関係が改善した、という方は数多くおられます。

あなたもぜひ受講して人間関係を改善なさってください!
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